モモちゃんのひなまつり

【 モモちゃんのひなまつり 】

お雛さまの飾る意味を、わかりやすくまとめました。
ぜひ、お子さまに読んであげてください。

モモちゃんと桃の精の出会い

桃の精はおともだち

ひなまつりの日、モモちゃんはおるすばん。
おてんきがいいので、お庭であそびながら、すこしウトウトしてしまいました。
ふと気がつくとそばに誰かいます。モモちゃんはびっくりして、とびおきました。

「 だれ!? 」

そこには、今まで見たこともないきれいな羽を持った少年がいました。
少年は庭にある桃の木に寄りかかって、笑っています。

「 ごめんごめん。ビックリさせるつもりはなかったんだ。
ぼくは桃の精だよ。この桃の木に住んでいる妖精なんだ。 」

「 ようせいさん?」

「 そう。モモちゃんのおともだちになりたいんだ。 」

「 ふうん…じゃあ、あそんで! 」

ふたりは仲よくあそびはじめました。

おひなさまの国

桃の精はモモちゃんと手をつなぎました。
そして羽をひとふりすると、天に舞いあがります。

「 ようせいさん、どこへ行くの? 」

「 きょうはひなまつりだから、一緒におひなさまの国に行こう。」

ふたりは、あっというまに、おひなさまの国につきました。
そして、桃の精が言いました。

「 ほら、おひなさまがたくさんいるでしょう。」

モモちゃんは、おうちのおひなさまを思い出しながら、こたえました。

「 ここのおひなさまは七段もあるわ 」

「 よく気づいたね。実はこの七段飾りというのは将来のしあわせな結婚式の形を表しているんだ。
ひとりひとりの人形に、それぞれ飾る意味があるんだよ。
お姫さまはモモちゃん自身、お内裏さまはモモちゃんの夫になる人、お道具はお嫁入り道具、というようにね。」

七段飾りは、とても豪華で華やか。モモちゃんが見とれていると、桃の精はモモちゃんに話しかけました。

「 おひなさまは、ただのお人形ではないんだ。女の子がすくすく育ちますように、そしておとなになって幸せな結婚ができますように、と見守ってくれているんだよ。
お内裏さまとお姫さまはその主役だね。」

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モモちゃん 赤ちゃん 3さいのころ

ひな人形はだんだん増やせる

「 モモちゃんは赤ちゃんだったから覚えていないだろうけど、モモちゃんのお人形は、生まれたときに、おじいちゃんとおばあちゃんがお祝いに贈ってくれたんだよ。」

生まれてはじめてのひなまつりを初節句といいます。
モモちゃんが生まれたころ、おとうさんとおかあさんは、ちいさなお部屋に住んでいたので、お内裏さまとお姫さまだけをタンスの上に飾っていました。

「 せまいからとか、めんどうだからとか、おひなさまを飾らない家もあるけれど、ほんとうにしあわせを願うなら、おひなさまは飾ったほうがいいね。女の子の成長を見守ってくれるからね。」

桃の精は、にこやかに言いました。

「 すこしずつでもいいんだ。来年、再来年と、だんだん増やしていくのも、楽しいものだよ。」

その話を聞いて、モモちゃんはじぶんが3さいのときのひなまつりを思い出しました。

三人官女がやってきた!

モモちゃんが三歳になるころ、おうちがお引越しをしました。
おへやが広くなったのでおひなさまも、三段飾りができるようになりました。
そこでモモちゃんお気に入りの三人官女をおとうさんに買ってもらい、お道具はおばあちゃんが買ってくれて、とてもにぎやかになりました。

「 よかったね、三人官女は結婚式の証人、巫女 (みこ) さんの役目があるんだ。」

と桃の精が言いました。

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モモちゃん 5さいのころ

五人囃子もやってきた。

今年、モモちゃんは五歳になります。
幼稚園でひなまつりの歌を覚えて、♪ご~にんばやしのふえたいこ~、と歌っていると、おとうさんがそれを聞いて言いました。

「 そうか、五人囃子がいないと歌にならないなあ!」

そして五人囃子がやってきたのです。
そのはなしを聞いて、桃の精がいいました。

「 いいなあ、モモちゃん。五人囃子の五人というのは、理想の家族の人数をあらわしているんだ。しあわせな家庭が出来ますようにと願ってかざるんだよ。」

モモちゃん、たのしみはとっておく。

モモちゃんはふと思いました。

「 七段のおひなさまもいいけれど、五段のおひなさまが、いまのモモちゃんにはお似合いのような気がするなあ。」

桃の精は、笑ってこたえました。

「 モモちゃんは、まだちいさいものね。もうすこしおおきくなってから、七段そろえるといいかもしれない。たのしみは、あとになるほどおおきくなるというしね。」

  • もの知りメモ
  • この形は、自然界の一番落ちついたバランスのとれている数字の並び。 五を中心にすると四方八方いずれをたしても15になる。 七段飾りに15人の人形を飾るのもバランスのとれた成長を願うからなのです。

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さあ、おうちにかえろう

おかえりなさい!

モモちゃんは、桃の精といっしょに、おうちに帰ってきました。
おへやにあるおひなさまを見つめると、なんだか仲よしのおともだちのような気がしました。
そして五人囃子を買ってくれた、おとうさんとおかあさんに、あらためて 「 ありがとう 」 といいたくなりました。
そのとき玄関の方で「ただいま」という声がして、おかあさんが帰ってきました。
桃の精があわててモモちゃんに言いました。

「 モモちゃん、ぼくは帰るよ。妖精はオトナには見えないんだ。きょうは楽しかった。
また来年もあえるといいね。さようなら!」

モモちゃんもニコニコして手を振りました。

「 ようせいさん、ありがとう。さようなら!」

おかあさんは、ひなまつりのごちそうを作るために、いろんなものを買ってきたようです。
モモちゃんはうれしくて、おかあさんに飛びついていきました。

おしまい

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